大分合同新聞に掲載されました

食べ物に困っている人に無料で食品を提供する「フードバンクおおいた」を県社会福祉協議会が設立して半年が経過した。米や缶詰など、これまでに約4・5トン分の食材を市町村社協や子ども食堂などに提供。社協などへ相談に訪れた生活困窮者にその場で手渡せる食料として役立つ一方、本来の目的である相対的貧困の子どもたちに食品を届ける仕組みづくりが課題として浮かび上がる。

 フードバンクおおいたは、品質に問題はないが市場に流通できない食品などを企業や個人から募っている。1月6日現在で、民間企業や個人などから食料4273品(5959キロ)が寄せられた。米、調味料、缶詰、乾麺、菓子などが多いという。そのうち3858品(4588キロ)を市町村社協や子ども食堂、児童養護施設、高齢者サロンなど延べ92団体に提供した。
 フードバンクの推進モデル市町村の一つ、日田市社協では相談を受ける生活困窮者に対し、必要に応じて米や缶詰、レトルト食品を配布している。「話を聞き制度や支援機関に橋渡しするだけでなく、相談員の裁量で渡せる物資があるのはありがたい。相談者も得られるものがあると、来所への満足感が持てるのではないか」と担当者。
 別の市社協担当者は「家計が苦しい世帯だと、電気や水道代などの支払いや借金返済などに現金が充てられ、食事にまでお金を回せないケースがある。食品を現物で渡すことで、子どもたちなど必要な人に届けられる」と食料支援の必要性を強調。ただ、いずれも緊急対応策であり「面談で状況を確認し、自立を手助けする一つの手段」と位置付ける。県社協の高橋勉会長は昨年末に開かれた市町村社協へのフードバンクの事業説明会で「相談者の自立にどんな支援が必要なのか。整理して対応してほしい」と呼び掛けた。
 県社協では「フードバンク設立の大きな目的の一つに相対的貧困状態にある母子への支援がある」とするが、対象となる世帯が見えにくく、いかに把握していくかが課題。届ける手段や期間など、検討しなければならない課題はいくつもあるという。
 「子どもたちとの接点の場として学校との連携を模索している。(貧困への)責任のない子どもたちがおなかいっぱい食べられる体制づくりを目指したい」と高橋会長。食料提供やボランティアなど、さらなる協力を呼び掛けている。 

※この記事は、1月8日大分合同新聞朝刊21ページに掲載されています。